不倫

「あ。……忘れた」と、人はぴくりと体を起しかけた。「なにを」「今の写真を持って来て、ここで、二人してゆっくり見るんだったに」「いいわ、あんなもの、持って来なくっても。……それとも私の魅力は、あんな物以下なのかしら」「そ、そんなことは、ないがね」「じゃ、こうしていらっしゃいよ。あの写真のようになれというならば、私、どんなポーズにでもなって見せるわ。その代り、きょうは店へ買い取って貰いたいものがあるのよ、この間、二千円と評価したけれど、千百円に負けとくわ、儲けさして上げたり、言うことを肯いたりする、こんな若い雀を持って、あんたは何ていう幸福者」と、狒さんをつまみながら、左の指から外した指環をその鼻の先へ出して見せた。不倫調査 大阪そこの「携帯の心臓」は、いつのまにか真っ暗になった。ちょうどそれが懐中携帯の機械の中の紅石を象徴するように、赤いまめ電気が三ヵ所から、寝床に向ってぼんやりした光を投げている。ギギギと、天井の遊体車の一個が活動しはじめると、何処かにかくれている板がジャンジャンと時の音を連震した。